アレルギー性鼻炎について

アレルギー性鼻炎診療のイメージ写真

アレルギー症状を引き起こす原因となる物質(アレルゲン)を繰り返し吸入することにより、抗原と抗体が鼻の粘膜で反応し、くしゃみ、鼻汁、目のかゆみなど不快なアレルギー症状をもたらし、日常生活の様々な場面に影響を及ぼします。

アレルギー性鼻炎の原因は多岐にわたりますが、家のほこり(ハウスダスト)、ダニの糞・死骸、ペットの毛、カビなどが代表的です。一般的にスギやヒノキ花粉が原因(アレルゲン)であるいわゆる「花粉症」は季節性アレルギー性鼻炎、ハウスダストやダニ、カビなどが原因(アレルゲン)で一年中起こり得るアレルギー性鼻炎を通年性アレルギー性鼻炎といいます。アンケート調査の結果、日本人の約5人に2人がスギ花粉症、約4人に1人が通年性アレルギー性鼻炎といわれております。

アレルギー性鼻炎の診断は「問診、診察」と「検査」により行います。
当院では血液検査でアレルゲンに対する抗体の反応を検査しております。

アレルギー性鼻炎の治療

アレルギー性鼻炎の治療はまずはアレルゲンを避けることが基本となります。
花粉飛散時には外出時にマスクや眼鏡を着用し、帰宅時には服から花粉を落とし、肌についた場合はシャワーなどで花粉を洗い流します。
ダニなどのアレルゲンに対しては掃除をまめにする、寝具を清潔に保つ、空気清浄機を使用するなどの対策が重要です。

さらなる治療としては、まずは保存的療法として、抗ヒスタミン薬などの内服や点鼻薬、点眼薬などを使用して症状を和らげます。
アレルゲンが花粉の場合は、花粉の飛散が開始する2週間前から内服薬を飲み始める初期療法を行うと、症状が出てから薬を飲み始めるのに比べて、症状が軽くて済むといわれております。
毎年花粉症に悩まされているという患者様は、原因となる花粉が飛散する1か月ほど前までにご相談ください。

手術療法としてはレーザー治療や鼻炎に対する神経切断術等がありますが、当院では行えませんので、ご希望の方はご相談の上、適切な医療機関にご紹介させていただきます。

アレルゲン免疫療法について

アレルゲン免疫療法は、アレルゲンを少量から投与することにより、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげたり、根本的に体質を改善する治療です。
アレルゲン免疫療法には「皮下免疫療法」や「舌下免疫療法」がありますが、当院では「舌下免疫療法」を行っております。

舌下免疫療法とは

同療法の対象となるのは、スギ花粉による花粉症とダニやハウスダストなどのアレルゲンが原因の通年性アレルギー性鼻炎となっております。
約8割程度の患者様に症状消失もしくは緩和の効果があると言われています。

服用、治療の注意点

初回の治療は副作用の経過観察(重度の場合アナフィラキシーショック)のため、病院で行います。
その後問題なければご自宅で、1日1回治療薬を舌の下に置き1~2分保持したのち飲み込みます。
服用後は、5分間はうがい・飲食禁止、2時間は激しい運動。アルコール摂取、入浴などは避けることが必要です。
治療を開始して数か月で効果が期待できるといわれておりますが、3~5年継続することにより、最大の効果が得られるといわれております。

ダニアレルゲンによる通年性アレルギー性鼻炎に対しては時期に関係なく開始できますが、スギ花粉症では、スギ花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応が過敏となっているため、スギ花粉が飛んでいない時期に開始いたします。当院では6月~11月に開始とさせていただいております。

舌下免疫療法をお考えの患者様は、さらに詳しくご説明させていただきますので、是非ご相談ください。